70年の歩みを訴え、課題見すえ議論深めよう
日本被団協第71回定期総会

 日本被団協は6月17~18日、東京・千代田区のTKPガーデンシティお茶の水で第71回定期総会を開きました。30都府県から約90人が参加。基調報告、活動報告、会計報告、運動方針、予算、役員選出、総会決議と特別決議(2~3面に全文)を承認・決定しました。

 被団協が誕生して70年となる今年の定期総会では、さまざまな課題が報告、討議されました。
 箕牧智之代表委員は挨拶の中で「不安定な世界情勢や日本政府が向かおうとしている方針に強い危機感を募らせている。しかし引き続き核廃絶と原爆被害への国家補償について声をあげて行く」と力強く述べました。

NPT再検討会議報告

 ニューヨーク行動に参加した濱住治郎事務局長が「結果として3回にわたり最終文書が採択されず、核保有国に対しては憤りを感じるが、NGOセッションで発言できたことや300人のパレード、ロシアやフランス政府代表との面談などを行なうことができ、次の会議につながる成果があった」と報告しました。

基調報告

 日本が国是としてきた非核三原則を堅持し、日本国憲法の改正を認めないことを確認。世界の情勢がますます混沌としてきた今年、81年前の原爆投下後の被爆の実相と結成70年を迎える日本被団協の歩みを、あらゆる機会を通じて訴えて行くこと、また日本政府が唯一の戦争被爆国として核廃絶に向けて世界の先頭に立つよう働きかけ、日本生協連や原水協、原水禁と協力し、核兵器廃絶を訴えて行くことを強調しました。
 日本被団協や都道府県被団協の組織と運動の将来像について、広い範囲の人々の意見を聞きながら検討して行くことが提案されました。

2025年度活動報告

 被爆80年の取り組みとして、被爆証言の新たな掘り起しと語り継ぐ運動に取り組みました。
 会場からの報告では、被爆体験記を劇団員に朗読してもらい、臨場感迫るものがあって好評だった(静岡)、県庁のロビーでの原爆パネル展実施(鳥取)、ノーベル平和賞受賞を受け若い人に繋ぎたいと90歳で証言活動を始めた被爆者(島根)、その他新たに証言集を作成した県、3世や4世を巻き込んでの活動を行なっている県の活動紹介などがありました。

2世委員会のアンケートまとめ報告

 2025年12月に配布し2026年1月31日締めで集約を行なった「被爆二世の組織と活動の現状調査」の報告がありました。31都道府県(32組織)からの回答をまとめたものです。17の都道府県で被爆2世の会が活動し、会員は1999人。各地被爆者の会で2世の会長・理事長が5県、事務局長は10県でした。現在どのような活動を行ない、今後どのように活動し、ネットワークを広げていくのかについての回答がまとめられました。
 なお、2世の問題については運動方針の討議の中で多くの質問や意見が出されており、アンケートにある様々な意見や報告とともに検討課題として、今後の活動や話し合いに生かしていくことが求められています。

2026年度運動方針

 日本被団協結成70周年、被爆81年の今年、「私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意を誓い合った」結成宣言、42年前にまとめた「原爆被害者の基本要求」の原点に返り運動を進めることが確認されました。

結成70年周年事業

・長崎での祝賀会=8月8日18時から
・結成70周年声明
8月10日に声明発出
・『日本被団協70年の歩み』発行
・式典と祝賀会=全国都道府県代表者会議の実施に合わせて10月7日午後から式典と祝賀会
・日本被団協結成70周年イベント=秋に文化的な取り組みを、ノーモア・ヒバクシャ継承ネットワークと連携して開催

組織・情宣部会からの提案

 日本被団協の組織と運動の今後について、「今や『選択・決断の段階』ではないか?」との問いかけのもと、今後1年間かけ全国的に討議することが提案されました。
 被爆者が高齢化していく中で、日本被団協の将来像について、また各都道府県被団協の存続について、2つの案が示されましたが、そのほかの3つ目の案も受け入れるとしており、2世3世を含む非被爆者との連携など、議論が必要です。

1年間、真摯な検討を

 日本被団協結成70周年の節目の年にあたり、総会は盛りだくさんな内容の上、特に将来に向けて日本被団協や県組織をどうしていくのかという課題もあり、2世についてのさまざまな思いも出されました。すぐには解決しない事柄も多く、引き続き真摯な検討が求められます。

新役員

 代表委員=田中熙巳 田中重光 箕牧智之 事務局長=濱住治郎 事務局次長=児玉三智子 和田征子 濵中紀子 金本弘(新) 代表理事=木村緋紗子 髙橋溥(新) 小島貴雄(新) 立川重則(新) 廣信靖之(新) 松浦秀人 中村国利 田中聰司 横山照子 家島昌志 首藤通治 会計監査=中西俊雄(新) 山口詔利(新) 顧問=木戸季市

総会決議

 1956年8月「自らを救うとともに、私たちの体験を通して人類の危機を救おうという決意を誓い合った」日本被団協結成宣言から70年を迎えました。
 この長い年月、血の滲むような運動の中で先人が築き上げた成果のうえに今、私たちがいます。「人類の危機を救う」宣言は、平和を希求する世界から最も求められています。再び70年の運動を学び先人の思いをしっかりと受けとめ日本被団協の将来展望を切り開く年にしましょう。
 世界は激動しています。2022年のウクライナ戦争からイスラエル・ガザの戦い、2026年の米国とイスラエルによるイランへの武力攻撃など終わりが見えません。大国が小国を、核保有国が非核国へ核の威嚇を行なっています。
 国際法を無視した戦いや戦争の中で私たちは「危険な世界」に晒されています。期待された今年のNPT再検討会議は、2000年と2010年に確認した「保有核兵器の完全な廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束」にもかかわらず、今回も合意に至りませんでした。日本政府は米国の核抑止政策に頼るばかりでなく非核三原則の見直し、武器輸出の解禁、憲法改定等に向かって軍拡に着手し国民の戦争への不安を募らせています。しかし、日本被団協は「危険な世界」を変えるために活動を続けます。
 昨年の被爆80年運動では、日本被団協は、原水協、原水禁との協働行動で力を発揮、ノーベル平和賞受賞を祝う国民の声に応え圧倒的な数の証言活動に取り組み、報道各社のアンケートに3000人を超える被爆者が回答しました。今年、数万人の市民が国会前で政府に対する抗議行動に参加しています。これらの行動を力に、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める署名、意見書の取組等、この運動を一歩一歩着実に前進させていきましょう。
 日本被団協のノーベル平和賞受賞への共感は、今も国内外に広がり続けています。
 「決して諦めず挑戦する被爆者運動は今、世界が求める力であり光である」「核保有国傘下の国民は、自国の核抑止政策を変える運動を」授賞式のことばを想起し私たちの力にし、私たちの二大要求実現に向かって前進しましょう。

 2026年6月18日
 日本原水爆被害者団体協議会 第71回定期総会

特別決議
NPT再検討会議を終えて 核兵器保有国の横暴に抗議する

 第11回NPT再検討会議が5月22日で閉会しましたが、成果文書は採択されませんでした。2015年、22年につづき3回目の不採択でした。当初からこれまでになく厳しい会議になることが予想され、一般討論のあと、文書草案を早めに出し交渉が進められ、4回出されましたが、米国とイランの対立などで最終的には採択に至りませんでした。
 近年の情勢ではロシアのウクライナへの核兵器使用の威嚇、ベラルーシへの核弾頭搬送と合同演習、アメリカとイスラエルによるイラン核施設への攻撃、フランス、中国、北朝鮮の核戦力の増強など、核保有国の「力による支配」や「国連憲章など国際法の無視」など核保有国の横暴がめだちます。絶対に許すことはできません。2022年NPT再検討会議で、日本被団協は核兵器保有国の「傲慢さ」と「不誠実さ」を問いましたが、人間の命や国の主権を無視した行動が一段と増しています。軍拡にすすむ日本政府の立場も問われています。
 日本被団協は、2005年から今回で5回目となる「国連原爆展」を開催しました。「核戦争がもたらす代償を想い起こさせる警鐘」とグテーレス国連事務総長は冒頭演説で述べました。NGOセッションでは、2000年に約束し、2010年に再確認した「保有核兵器の完全な廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束」をすみやかに実行するよう求め、山口仙二さんが1982年の軍縮特別総会で訴えた「ノーモア・ウオー、ノーモア・ヒバクシャ」、核兵器がつかわれないためにも戦争はやめよと訴えました。
 核抑止政策をとる核兵器国とその同盟国はいかに今の核保有の現状を維持し続け、核兵器の禁止や廃絶を拒むかに必死です。被爆者は原爆と人間は共存できないと原爆の反人間性を訴えてきました。「核兵器廃絶と原爆被害への国家補償」の二大要求はまだ実現していません。今回のNPT会議に154団体のNGOが参加登録をしました。
 日本被団協も、日本生協連、原水協、原水禁、核兵器をなくす日本キャンペーンのみなさんと行動を共にしました。より多くの世界のNGOや市民と連帯して、NPTと補完しあう条約と言われる核兵器禁止条約の再検討会議に向け、核兵器も戦争もない世界をめざして歩みを進めます。

特別決議
平和を守るには「憲法9条」の堅持を

 日本被団協結成から70年目の今年、世界は大きな岐路に立たされています。
 それは日本国内における情勢にも及び、日々の暮らしにも重い空気を広げています。それはここ数か月の、トランプ大統領をはじめとする、世界の指導者たちの国際法を蔑ろにした数々の言動に起因するものです。米国の軍事作戦でベネズエラの大統領の拉致拘束、米ロ間の唯一の核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」の失効、米国とイスラエルによる突然のイラン攻撃とその反撃。報道されることが少なくなったウクライナ戦争の状況、パレスチナ・ガザの長期化する戦闘による人権状況の悪化も忘れてはなりません。
 そして、日本国内では、昨年10月の高市内閣の発足以来、自民党の懸案である「憲法改正」の議論が浮上し、現実味を帯びてきています。
 ロシアのウクライナ侵攻直後の、プーチン大統領の核兵器使用をほのめかす発言に対して、国会議員の「核共有」の提案を望む声がありました。唯一の戦争被爆国が、加害国になる可能性がある、ということです。

 日本は戦争で大きな被害を受け、そして、多くの被害を与えました。その深い反省から、また核戦争の結果としての広島・長崎を二度と繰り返さないとの願いから、戦争そのものを否定する日本国憲法ができました。その9条は私たちが宝として持っているものです。

日本国憲法 第9条
 第1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍とその他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 戦争を放棄するという「平和憲法」によって、日本は世界から信頼を得てきました。しかし今、自衛隊を明記して9条を死文化し、戦争のできる国へと進もうとしています。殺傷能力のある兵器を輸出する「第5類型の撤廃」を閣議決定し、死の商人国家となりさがり、戦争に加担する国になったという印象を世界に示しています。
 私たち被爆者は、核兵器も戦争もない世界を求めて運動を続けてきました。今、9条が改変されれば、私たちの願いと運動が否定されることになります。
 核兵器使用の実相を世界に語り続けてきた被爆者の活動の歩みを水泡に帰させてはなりません。

 世界と日本の市民のみなさん、今こそ、日本国憲法の世界的意義を学び、核兵器も戦争もない世界の実現のために前進しましょう。

NPT再検討会議 日本被団協代表団の活動

 NPT再検討会議日本被団協代表団(4月24日~5月1日)の活動を前号に続いて報告します。

オーストリア外務副大臣と懇談

 会議初日に「被爆者と会いたい」との要請がありニコラウス・マルシック外務副大臣と懇談しました。「現在の国際状況は核廃絶と真逆の方向に向かっている。いまこそ被爆者の声が必要だ」と激励を受け、連帯の握手を交わしました。

中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表と懇談

 会議3日目に面会しました。中満さんは「大変厳しい状況だが各国が危機感をもっていることが大事。なんとか最終文書が出せるよう努力を重ねている」と話しました。

日本政府代表に要請

 生協連、原水協、原水禁とともに梅津茂大使と面会しました。大使は「アメリカの核兵器の拡大抑止の中にいるのが現実的というのが日本の立場である」と話しました。

スウェーデン野党国会議員と懇談

 社会民主党のモーガン・ヨハンソン議員は「核兵器を持たない国が団結してはたらきかけをしていくべきだ。冷戦の頃のようなことを誰も望んでいない」と話しました。

ロシア政府に要請

 アンドレイ・ベロウソフ代表団長は「核兵器のない世界を望むのは同じだ。非核三原則の見直しなど発言する日本政府に反対してほしい」などと話しました

再検討会議議長と懇談

 ド・フン・ビエット議長は代表団との面会を歓迎し、広島訪問の経験も交えて「残りの数週間も困難な状況が続くと予想しているが、成果文書を出せるよう努力する」と話しました。

フランス政府に要請

 アン・ラザール・スリー軍縮大使と面会。「フランスは軍縮のためのステップを確実に歩んできた、その実績をみてほしい」などと話しました。

オーストリア
中満さん
日本代表部
スウェーデン
ビエット議長
フランス

NPT再検討会議ニューヨーク行動に参加して

市民社会の連携広げ

濱住治郎

 滞在中、盛沢山の活動がありました。各国政府代表や政治家のほか、アルバニア平和活動家と懇談の機会もありました。
 5月1日のNGOセッションでは、日本被団協が32団体の最初に発言の機会を与えられ、発言しました(前号に全文)。
 日本生協連代表団のみなさまのご支援でニューヨーク行動を無事終えることができたことに感謝申し上げます。また4団体(被団協、生協連、原水協、原水禁)がパレードやサイドイベント共催などで交流ができたことは、今後の活動に向け貴重な機会となりました。
 畠山澄子さん、浅野英雄さん、徳田悠希さん、イタリアから駆け付けた小野みつたけさん、日本生協連国際部など通訳のご協力に感謝します。
 会議は最終文書の採択が見送られ、残念な結果になりました。核保有国の横暴が目立つ中、次回の再検討会議が2031年と発表されたときはとても憤りを感じました。被爆者には時間がないからです。また「唯一の戦争被爆国」と自称する日本政府が核抑止政策をとっているなかでは、NPTの核兵器不拡散、核軍縮、核の平和利用という3つの柱の存在そのものを曖昧にしているように思えます。
 NPT再検討会議には154のNGOが参加しました。私たちも市民団体とのつながりを大切にして、世界の市民社会との連携にむけ、より活動を広げていかなければならないと思います。

会議での発言に緊張

濵中紀子

 26日のNGOパレードは、公立図書館からダグ・ハマーショルド広場まで行進。午後は聖ヨハネ大聖堂での証言でした。いつもお世話になっている遠山京子さんの出迎えに、嬉しくなりホットとして落ち着いて証言できたように思いました。
 27日は再検討会議開始で傍聴席へ。冒頭、イランの副議長選出を巡る米・イランの対立など厳しい展開が始まり、最終日の合意文書の採択が心配になってきました。
 29日、4団体(日本被団協・日本生協連・日本原水協・原水禁)共催のサイドイベント「核兵器のない平和な世界へ転換を 国際連帯」。冒頭に日本被団協の活動について発言しました。ほかに米国、イギリス、フランスの活動家が、各国の状況、運動、展望などを発言。始まる前は心臓バクバクでしたが、何とか無事(?)終わりました。
 30日のロシア政府代表への要請では、戦争をやめて核廃絶を、とお願いしました。懇談の最後に、「非核三原則見直しに関して、日本政府に対し声をあげてほしい」とのロシア代表の言葉に、こちらの参加者が「70年間言い続けています」と即答。皆うなずきました。
 ご支援くださった関係各位に感謝いたします。

日本政府は核兵器禁止条約に署名、批准せよ 署名累計367万3660人分

中央行動

 6月19日、衆議院第一議員会館で中央行動を行ない、午前は日本被団協で約60人、午後は他団体とともに約120人の参加でした。

政党要請

 午前11時からの政党要請には、国民民主党の鍋島勢理衆院議員、共産党の田村智子委員長、れいわ新選組の山本譲司衆院議員、中道改革連合の小川淳也代表が参加。日本被団協からの要請書を受けとり連帯のあいさつを述べました。立憲民主党は水岡俊一代表のメッセージを寄せました。

政党への要請

署名提出

 午後2時から「日本政府に核兵器禁止条約への署名批准を求める署名」を提出する集会を、原水禁、原水協とともに行ないました。署名数は累計367万3660人分でした。立憲、国民、共産、公明、れいわ、社民、中道の各党国会議員が参加しました。
 日本政府からは、外務省の松本恭典軍縮不拡散・科学部審議官が出席し高市総理大臣あての要請書と署名簿を受け取り、「核兵器のない世界を目指すことは我が国の歴史的使命。非核三原則は政府として政策上の方針として堅持している。TPNWは核兵器のない世界への出口となる重要な条約だが、国際社会の情勢・動向を見極めつつ慎重に対応していく」など従来の見解を述べました。
 参加者からは、署名一筆一筆の重みを高市総理に感じてもらいたい、などの発言がありました。

ヒロシマ・ナガサキと憲法 憲法を生きた被団協運動
NH9全国交流会

 6月18日の日本被団協総会後、ノーモア・ヒバクシャ9条の会(NH9)全国交流会が開かれ、東北から沖縄までの30数人が熱心に交流しました。
 今年のテーマは「ヒロシマ・ナガサキと日本国憲法」。はじめに事務局から「日本国憲法が国連憲章以上に徹底した戦争否定の9条を定めたのはその間に8月6日・9日があったから。9条改憲は、原爆体験と憲法の精神を実践してきた被爆者運動を否定することになる」、と述べました。
 呼びかけ人の木村緋紗子さんが参加者に発言を促し、沖縄事故を機に強まる平和教育・活動への攻撃や、井上ひさしが立ち上げた鎌倉九条の会の今に続く活動など、各地の経験が語られました。
 被爆体験の証言とともに、憲法を生きてきた被団協運動の足跡も語り継いでいきたいものです。

実験場閉鎖35年 カザフスタン共和国国会議員が来訪

 カザフスタン共和国の上院と下院議員が5月29日、在日大使館の人々と日本被団協事務所を訪れ、ノーベル平和賞受賞への祝意と日本被団協の活動に対する深い敬意を語りました。
 日本被団協はカザフスタンと30年前から交流があります。カザフスタンはソ連時代に450回以上の核兵器の実験が行なわれました。実験場の閉鎖から今年は35周年。ビビグル・ジェクセンバイ上院議員は「実験場セミパラチンスク近くで育ち、両親から話を聞かされた。数十年経った今も被害は続いている。被害‘証明書’を持っている人は数十万人を超えているが、被害者の実数はわからない。ソ連時代に置かれていた核兵器はソ連に戻し、核兵器を拒絶した最初の国である」と話しました。
 また「日本被団協の活動から学ぶことは沢山ある」と話し、医療、社会保障(国家補償ではない)、遺伝的影響のことなど、私たちと同じ課題を抱えていることがわかりました。実験場閉鎖35周年で計画しているイベントへの協力要請もありました。

高校生の演奏と朗読 愛媛で3団体共催慰霊祭

 松山市石手川公園の原爆死没者慰霊碑前で6月13日、愛媛県原爆被爆者の会、原水爆禁止松山市民会議、原水爆禁止愛媛協議会の3団体共催の慰霊祭が行なわれました。
 愛媛うたごえ協議会による合唱に続いて黙祷が捧げられ、主催者や来賓から追悼のことばが寄せられました。原爆投下による惨劇、被爆者が長年苦しみ続けてきたこと、世界各地で続く戦争や核兵器のない世界への願いなどが語られ、平和の尊さを改めて考える機会となりました。
 特に心に残ったのは、松山東雲高校のみなさんによるヴァイオリン演奏「いのちの歌」「ふるさと」と、峠三吉の詩「呼びかけ」の朗読です。優しい音色と力強い言葉は原爆犠牲者を追悼するとともに、平和な未来への希望を感じさせてくれました。
 被爆から81年を迎えた今も世界では戦争が続いています。慰霊祭で語られた被爆者の願いを心に刻み、私も平和への歩みを続けていきたいと思いました。(渡部玲子)

NY行動報告会

愛媛

 5月30日、日本被団協代表理事の松浦秀人さんが、NPT再検討会議に合わせて行なわれたNY行動について報告会を行いました。70人の参加でNHKの取材も入りました。松浦さんは、配布の資料をスライドで映し出しユーモアを交えて報告しました。
 松浦さんは、5月22日(会議最終日)の決裂は残念だったが、ネバーギブアップを合言葉に核兵器の禁止を目指して邁進すると力強く語って、報告会を締めくくりました。
(報告会実行委員会)

〈相談のまど〉
通所リハビリ利用料への助成 ケアマネジャーや事業者に申出を
5年分はさかのぼって請求できます

 【問】「要支援1」の被爆者の方が、日本被団協が出している「被爆者のしおり」をもって区役所に来ています。「通所リハビリに週1回通っていて利用料を支払っているが、このしおりを見ると助成されるようだ」と言われます。どうしたらいいでしょうか。

*  *  *

 【答】役所の職員からの問い合わせだったので来所された被爆者に、担当のケアマネジャーに「被爆者のしおり」を見せるように、と伝えてもらいました。役所からもケアマネジャーに連絡を取ってくれたようで、その後ケアマネジャーから相談の電話が入り、ご本人がサービス開始にあたって被爆者健康手帳を提示していなかった、ケアマネジャー自身も被爆者に関しての助成などを知らなかった、とのこと。次のように説明しました。
 「要支援」でも通所リハビリは被爆者健康手帳による利用料助成があります。手続きとしては、利用者情報入力画面に被爆者健康手帳に記載されている公費負担番号を入力すると利用者負担額がゼロになります。通所リハビリの事業者にも同様の手続きをしてもらう必要があります。
 これまで支払った分については5年前までさかのぼって、被爆者健康手帳による償還払い請求ができます。被爆者本人が保健所に申請書類の請求をして、書類にこれまでの領収書を添付して申請します。その際、領収書をなくしているかもしれないので、事業所に証明書の発行お願いしてください。
 「被爆者のしおり」が手元に届いて初めて介護保険サービスの利用料が助成されていることを知った被爆者も多いようです。また、ケアマネジャーに被爆者に関しての情報が届いておらず、知らなかったという方も多くいます。
 介護保険を利用するにあたっては、ケアマネジャーに被爆者健康手帳を必ず提示すること。そして「被爆者のしおり」を見せることが大事です。「しおり」を被爆者本人や家族だけでなく、ケアマネジャーをはじめとした介護事業所に届けるよう、各都道府県被団協や地域の被爆者の会で取り組んでください。「被爆者のしおり」(無料)のお申し込みは日本被団協中央相談所まで。

「原爆被害」ワークショップも
継承する会総会

 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は5月23日、第14回通常総会を大学生協杉並会館とオンラインによるハイブリッドで開催しました。
 2025年度事業報告と決算、役員選任、監査報告、事務所移転による定款変更が賛成多数で原案通り可決。2026年度事業計画及び予算、「原爆体験の記憶遺産を未来へつなぐ連携協定」を全国大学生活協同組合連合会と締結することが報告されました。
 総会終了後、関連行事として、本会元代表理事で、被爆者診療に取り組んできた精神科の中澤正夫医師(写真)を迎えて「原爆被害とは何か」を考えるワークショップを開催。中澤さんの活動を中心に構成されたETV特集「被爆者 心の傷は癒えず~原爆のトラウマ1300人の調査から~」(NHK-Eテレ2006年8月5日放送)を鑑賞し、放送から20年経った今も続く原爆被害について質疑応答がなされました。(平井朗)

ノーベル平和賞「報告集」ができました

 「2024年ノーベル平和賞受賞式日本代表団報告集」ができました。授賞通知書、授賞理由、授賞式での委員長スピーチ、田中熙巳代表委員の受賞演説、日本被団協に寄せられたお祝いメッセージ等一覧、授賞発表からの事務局日誌、代表団とスタッフの感想などを収録しています。
 1000円+送料。お申込みは日本被団協へ。

募金のお願い

 皆さまからの日頃からのご支援に深く感謝申し上げます。日本被団協の運動を支える募金へのご協力を訴えます。

被爆者運動強化募金

 今月号に「お願い」と振込用紙を同封しています。各都道府県被団協に3割を還元します。

オンライン募金

 新たにオンラインでの寄付を募集しています。日本被団協のホームページからアクセスしてご協力ください。

日本被団協 活動日誌

6月
1日 組織情宣部会・事務局会議
2日 会計監査
3日 機関紙編集委員会
4日 署名提出行動打ち合わせ(被団協、生協連、原水協、原水禁)・日本生協連新井ちとせ会長来所
8日 事務局会議
11日 結成70周年長崎祝賀会打ち合わせ
12日 記念碑検討会議
15日 事務局会議
16日 第455回代表理事会
17・18日 第71回定期総会
19日 中央行動(政党要請)・署名提出行動
22日 事務局会議
24日 実相普及委員会
25日 厚生労働省要請